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president 社長ブログ

アパートローンの急減速2018/02/05

この半年ほどで、収益不動産への融資が急に厳しくなってきました。
新聞報道によると、「平成29年7~9月期の新規融資額は前年同期比で2割以上も減り、3四半期連続で前年割れ。過剰な融資を懸念した金融庁が監視を強化したことに加え、相続税対策としての需要が一巡したため、融資が減ったとみられる。」とのことです。

http://www.sankei.com/economy/news/180111/ecn1801110045-n1.html
たしかに、この1~2年間、ちょっとバブル的なアパート投資が散見されたのも事実ですので、適正な融資査定に立ち戻るのは大歓迎です。
一方で、不動産屋の現場としては、人口減少下における適正な賃貸アパート・マンションの新築戸数ってどの程度だろう?とも考えます。
『失われた20年』と俗に言いますが、住環境については、この20年、明らかに生活水準はレベルアップしています。
一昔前の物件では、
 ・バストイレ一体型のワンルーム
 ・6畳サイズのDKがあるファミリー物件
など、当たり前でした。
エアコンが付いているだけで、差別化ポイントになったものです。
ところがいまは、
 ・バストイレ別
 ・独立洗面化粧台
 ・エアコン
 ・モニターホン
 ・ウォシュレット
 ・ファミリー物件なら、10畳以上のリビング
などなどが、「当たり前」になっています。
リフォームして「いまの当たり前」の水準にグレードアップできればいいのですが、物件によっては、それが叶わない場合がしばしばあります。特に、20㎡以下の狭小ワンルームがそうです。ファミリー物件でも、浴室が極端に狭い物件は、正直ツラいです。
このクラスの物件は、いずれ建替えの対象になるでしょう。
また、築30年超の木造物件も、建替対象になると思われます。昔の木造賃貸は、30年程度で建替える前提でローコストに設計されたものが多いからです。
こういう時代に合わない物件が賃貸市場から脱落する分だけ、今のニーズに対応した新築物件が供給される。。。というペースが個人的には適正だと思います。
一つ言えるのは、新築するなら、十分にハイグレードなものにしておいた方がいい!ということです。
それも、「オートロック付」とか「戸建賃貸」のように、既存物件がリフォームしても追い付けない物件にすることが大事だと個人的には思います。
最初からリフォーム物件と同じ土俵で競い合うのでは、新築する意味は半減してしまう。
いずれにせよ、賃貸市況がバブルとは無縁で、実需に基づいて「良い物件を、良いお客様に提供する」業界であってほしいと切に願います。