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業界ニュースvol.72018/01/13 業界ニュース

tit_gyoukai.png201801_02.pngmatsui.pngのサムネイル画像最近、新築を建て30年家賃保証契約をしているオーナー様からの経営判断のお問い合わせが増えています。「30年家賃保証とは、契約当初の家賃や保証額がそのまま30年続くものだと思っていた」というものです。しかし、現実はそうではありません。確かに人口が増え、優良な賃貸住宅が不足していた時代では建てれば決まるという状況でした。しかし、平成20年のリーマンショックを境に供給過剰の「借り手市場」に変わっているのです。今や築15年でも空室率30%、年間家賃平均下落率が1.5%の物件も存在します。
そのような状況で、オーナー様に魅力的に聞こえるのが「30年家賃保証」です。建築会社の営業マンが「何から何までお任せください。放っておいても家賃がずっと入ってきますよ」と、わざわざ誤解させるようなセールストークをすることにも責任はあることでしょう。つまり、30年家賃保証とは、オーナー様の賃貸経営に関する知識不足を前提としたシステムということも言えるかもしれません。以下、問題点を整理します。

問題点① 数年ごとに家賃の見直しがある

新築時に家賃5万円で30年家賃保証を契約したとします。初めは入居率もよく、一時的な空室が出ても、例えば家賃の9割(4万5千円)が入金されました。このあたりはオーナー様の期待通りです。ところが築10年を過ぎて建物が古くなると、しだいに空室が目立ち、やがて全戸数の3割が空いてしまう。そして、「入居者が集まりやすいように家賃を4万円に下げてください」という交渉が・・・。「えっ?」と思ってもあとの祭り。契約書には確かに「2年ごとの家賃の見直し」の項目があります。やむを得ず値下げに同意したものの、空室に対する保証も4万円の9割にあたる3万9千円に引き下げられます。もちろん、値下げの効果で満室状態を回復したとしても、家賃そのものが下がるので収支計画は下方修正となります。

問題点② 一方的な契約解除もある

前述の場合、当初の家賃5万円を主張しても、契約は更新されず契約解除となることがあります。契約書には、両者が合意しない場合の契約解除についても書かれているのです。この場合、オーナー様は30年どころかわずか10年余りで放り出されることになるのです。初めから契約解除を狙って法外な減額要求という場合もあります。

問題点③ 保証料は高額。保証されるのは家賃のみ。

オーナー様の中には、家賃保証を受けるのにお金はかからないと思っている方もいらっしゃいますが、実際は家賃の10~15%ほどを保証料として支払っています。この保証料は実はオーナー様の手取り額にも匹敵するほど高額な場合があります。更に、家賃保証とはその名の通り「家賃のみ」の保証であって、建物のメンテナンスや修繕費、もちろん設備のリニューアル工事はオーナー様の負担となります。

以上の点をふまえると、家賃保証は新築で入居者の集まりやすい時期は高額な家賃保証を受け取り、老朽化に向けてのリスクはオーナー任せか?という疑問もまったく的外れではないことがわかります。対策は「まず保証ありき」ではなく、長期にわたり魅力を保ち続けるアパートをつくることです。その為には業者任せでなく賃貸経営の最低限の知識を身につけ、専門家をしっかりと選定することがポイントです。そうすれば、より納得のいく結果を出すことができるようになります。あなたが信頼できる地元の管理会社をつくり、市場動向を掴んだアパート経営を始めれば競合できるオーナーは少ないはずです!
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