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vol.35 早めの対策が必要な不動産オーナーの認知症対策①2020/11/27 業界ニュース

gyoukai.pngmatsui1.pngのサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像 内閣府の平成28年版高齢社会白書(概要版) によると、「65歳以上の高齢者の認知症患者数は、2012年は認知症患者数が462万人と、65歳以上の高齢者の7人に1人であったが、2025年には約700万人、5人に1人になる」と見込まれており、認知症は誰もが避けてとおれない重要な問題です。
今回は、認知症の進行の不動産オーナーへの影響を法律面から説明します。

まず、認知症が進行すると法律上、「意思能力を欠く状態」となります。意思能力とは、「法律上の判断において自己の行為の結果を判断することができる能力」などと定義されますが、わかりやすさのために簡易に説明すると、「契約を締結するために必要な能力」といった意味となります。
民法でも、以前から有効に契約するために意思能力が必要である、というのは理論上当然のこととされていましたが、今年の民法改正の施行で新しく条文が新設され、意思能力がない人の契約等の法律行為は無効とされる旨が明文化されました。

(民法)

第三条の二 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。

では、より具体的に認知症が進み意思能力を欠くことになると、どうなってしまうでしょうか。「契約」を締結しても無効になるわけですから、認知症が進行して意思能力を欠くことになると、売買契約や賃貸借契約を締結できなくなります。要するに、認知症の進行した方が所有する不動産は、売れないし、貸せない、契約できない状態となります。
贈与も「契約」ですから、生前の相続対策として、生前贈与もできなくなりますし、それこそ賃貸管理を委託することも「契約」ですので、管理会社に依頼する・変えるようなこともできなくなってしまいます。遺産分割協議による合意も一種の「契約」ですから、たとえば、夫が亡くなった際に、相続人である妻の認知症が進んでいて意思能力がないと、遺産分割協議をすることもできなくなります。

・不動産を売ることができなくなる
・不動産を賃貸に出すこともできなくなる
・不動産の管理委託することができなくなる
・遺言も生前贈与もできなくなる
・遺産分割もできなくなる
→ その他にも基本的に意思能力ない場合には契約は無効となります。

最近は、民事信託を利用した認知症対策などもありますが、そのような対策も、委託者である不動産オーナーに意思能力があることが前提となります。これまでは、相続予定の「長男」が認知症の進んだ親にかわりに契約書に署名する、などということも認められていたケースもあるかもしれませんが、皆さんもご存じのとおり、年々、各企業が法令遵守(コンプライアンス)を徹底するようになりますので、今後は、意思能力がない人との「契約」は「できない」「お断り」というケースがさらに増えていくと思われます。
ですから、認知症が進んでからでは遅く、認知症が進行して意思能力を欠くことになる「前に」対策を打つ必要があります。具体的な方法については次回以降に説明したいと思います。