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vol.36 早めの対策が必要な不動産オーナーの認知症対策②2021/01/05 業界ニュース

さて、前回は、認知症が進行し、「意思能力を欠く状態」になると、契約を締結することができなくなり、不動産の活用に支障が生じるということをお伝えしました。では、このように認知症が進行し契約ができなくなった後に、不動産を活用しようとした場合には、まずどうすればよいのでしょうか?
この場合に、皆さんもご存じの成年後見制度の活用が考えられます。(尚、ここでは法定後見を指して説明しています。)不動産のオーナーが認知症が進んでしまい、契約などの財産管理ができない状態になった場合には、家庭裁判所に成年後見の申立てを行い、成年後見人が選任認知症の進んだオーナーに代わり、財産管理を行うことができるようになります。より具体的には、成年後見人がオーナーに代わって、賃貸借契約を結んだり、遺産分割協議を行ったりすることができるようになります。
では、このような成年後見制度があるから問題ない?と思われるかも知れませんが、そうではありません。この成年後見制度(法定後見)には、いろいろな問題が指摘されています。

① 専門職が成年後見人に選任される場合が多い
 親族ではなく、弁護士や司法書士等の専門職が後見人として選任されるケースが少なくありません。成年後見関係事件の概況(平成31年1月~令和元年12月、最高裁判所事務総局家庭局)によると、親族以外が成年後見人等に選任されたものは全体の約78.2%です。親子や親族間の関係に突然、第三者の専門職が入ってきて財産管理を行うことを望まない人も少なくありません。親族が後見人になっても、専門職が「後見監督人」といって監督役として付くケースもあります。

② 専門職の報酬(費用)を負担しなければなりません
 こちらの報酬が財産額にもよりますが、東京家庭裁判所の「成年後見人等の報酬額のめ目安」によると流動資産等の管理財産額が1,000万円を超え5,000万円以下の場合には、基本報酬額を月額3万円から4万円」と定められています。年間にすれば、36万円から48万円、これが基本的に亡くなるまで負担が必要となりますので、それなりの費用負担が必要となります。

③財産管理に制約があるところも指摘されます
 成年後見人は、本人の財産を維持管理することになりますので、不動産投資などの資産運用はできないこともありますし、節税対策として親族に毎年贈与するなど、財産が流出する方向での財産処分はできないことが多いです。

以上のとおり、認知症が始まってからの成年後見制度には問題点もあり、敬遠する方も少なくありません。このように、認知症になった「後」に利用する成年後見制度(法定後見)では問題が少なくないのです。