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vol.40 退去時のハウスクリーニング費用を入居者の負担とする方法2021/06/20 業界ニュース

相談事例

入居者が退去後、居室のハウスクリーニングを行い、その費用を請求したところ、不当な請求だから支払わない、と言われました。
賃貸借契約書に「ハウスクリーニング費用は入居者の負担とする」という特約があるので、入居者の負担でよいと思うのですが?

さて、こちらの事例ですが、契約書にハウスクリーニング費用は入居者の負担と記載しているのであるから、
入居者に請求して何も問題はないのではないか?と思われるかもしれませんが、問題はそう簡単ではありません。

たとえば、よくあるハウスクリーニング費用特約として、

「クリーニング費用は賃借人の負担とする」旨の特約

「専門業者のハウスクリーニング費用は賃借人の負担とする」旨の特約

「専門業者のハウスクリーニング費用○○円は賃借人の負担とする」旨の特約

などがありますが、こういった特約は、
「上記①②③のいずれのクリーニング特約も有効に成立していないか、あるいは成立していても消費者契約法10条に該当し無効であり、
特約として効力を有しない可能性が高いのではないかと
考えられる」
と指摘されており、
裁判例等でも特約が無効とされているものがあります。
(RETIO. 2011. 1 NO.80賃貸住宅の原状回復特約 ―特にクリーニング特約― についての一考察より引用)

では、どのような場合に有効な特約として、クリーニング費用の負担を求めることができるか?というと、
国交省の原状回復に関するガイドラインには、以下のとおりの記載があります。

クリーニング特約について

賃借人が負担すべき内容・範囲が示されているか、

本来賃借人負担とならない通常損耗分についても負担させるという趣旨及び負担することになる通常損耗の具体的範囲が明記されているか或いは口頭で説明されているか

費用として妥当か等の

上記の3点から判断されます。
特に問題となるのは②で、単に契約書に記載があるというだけではなく、本来は賃借人とならない通常損耗であることを説明した上で、
特約として特別な負担を求めていることを明らかにして契約を締結しなければならない、ということです。

以上のとおり、クリーニング費用は本来、賃貸人の負担であり、
特約とガイドラインに沿った適切な説明がなされていて、入居者負担とできることを確認しましょう。

㈱船井総合研究所 不動産支援部上席コンサルタント 松井哲也