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Vol.42 「人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関する ガイドライン」案が発表されました2021/08/26 業界ニュース

Q. 私の物件の居室で以前に入居者が自殺したことがありました。すでに自殺後3年が経過し、入居者も入れ替わっているのですが、自殺があったことについて、新たな入居者を募集するときに告知しなければならないのでしょうか。

A. この事例のように、物件で自殺があったなど、物件を購入を検討する方や、物件を賃借しようと検討される入居者が、そのような事情があれば購入・賃貸することについて心理的な抵抗が生じる恐れのあることを「心理的瑕疵」といいます。
一般的には、物件内や付近での、自殺、他殺(殺人事件)、事故死(不審死)、孤独死などの「人の死に関わるもの」や、それだけではなく、広くは近隣に墓地や嫌悪・迷惑施設が存在していること、裁判例などでは、近隣に暴力団事務所があることなどが問題になったことがあります。
このような心理的瑕疵を、どこまで入居希望者に伝える必要があるのか、法律的な義務として伝える必要があるのか、というのが心理的瑕疵の説明義務の問題です。
結論としては、この心理的瑕疵の説明義務は、よく「答えのない問題」ともいえるもので、様々な裁判例から一定の傾向はみられるものの、「この場合には説明義務があり」「この場合には説明義務がない」という境界が曖昧な問題です。そのため、多くの宅建士の方が、告知する必要があるのか、する必要がないのか、迷われています。
このような問題を解決するため、近いうちに、国土交通省から「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」が発表される予定です。
本記事の執筆時点では、ガイドラインの案が示され、パブリックコメントなどが募集され終えたところですので、近いうちに正式にガイドラインが発表されると思います。
詳細は発表後になりますが、概ねこれまでの裁判例の傾向と同じもので、たとえば、以下のような整理がされています。(ガイドライン案4から5ページ)宅建業者向けのガイドラインですが、不動産オーナーにもこのガイドラインの影響が及ぶものと考えられますので、確認しておきましょう。

①他殺、自死、事故死その他原因が明らかでない死亡が発生した場合
 → 原則告げる必要がある。

②自然死又は日常生活の中での不慮の死が発生した場合
 → 原則告げる必要がない。

ただし、自然死や日常生活の中での不慮の死が発生した場合であっても、取引の対象となる不動産において、過去に人が死亡し、長期間にわたって人知れず放置されたこと等に伴い、室内外に臭気・害虫等が発生し、いわゆる特殊清掃等が行われた場合においては、買主・借主が契約を締結するか否かの判断に重要な影響を及ぼす可能性があるものと考えられるため、原則として、これを告げる義務があります。

㈱船井総合研究所 不動産支援部上席コンサルタント 松井哲也