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vol.63 賃料不払いでの明渡訴訟の流れと費用2023/05/22 業界ニュース

オーナーを悩ませる賃料滞納の問題ですが、改めて手続きを確認しましょう。

■よくあるご相談
「入居者が、賃料を支払ったり、支払わなかったり、といったことが続き、すでに数か月分もの滞納が
生じているがどうしたらよいか」というご相談を受けることが少なくありません

このような場合には、賃料滞納を理由に賃貸借契約を解除し、明渡の裁判を行って退去を求めるのが基本的な流れです。
ただ、明渡しの裁判を弁護士に依頼すると時間と費用がかかる、といって躊躇される方も少なくないと思います。

■実際に明渡の裁判を行うと、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。
個々の事案によりますので、あくまでも参考ですが、アパート・マンションの一室の明渡の場合ですと

以下のような流れで進みます。

・滞納督促を理由に内容証明郵便で通知を送付し契約解除
・裁判所に明渡の訴訟提起(裁判手続)
・裁判所に明渡の強制執行の申立て

という流れで進みます。スムーズに進むとしても5,6か月くらいかかります。
もちろん、内容証明を送るだけで退去してくれれば早まりますし、反対に、なにかイレギュラーな事情があればより時間がかかります。

■明渡にかかる費用はどのようなものでしょうか?
大きくは、弁護士費用と裁判所へ収める費用、強制執行に要する費用などがあり、
ワンルームの明渡でも60〜100万円程度と説明されることが多いと思います。
内訳は以下のとおりです。

①弁護士費用30万円から70万円程度
こちらは、法律事務所によっても異なります。
内容証明を送付するのに何万円、訴訟を提起するのに何万円と段階的に費用がかかるケースもあれば、
まとめて何万円という費用設定の事務所もあります。
②裁判所へ収める収入印紙、強制執行の申立費用 併せて7〜8万円程度
鍵の開錠費用なども必要となる場合があります。
③強制執行の費用(荷物の搬出や保管等) ワンルームで20〜40万円程度
荷物の搬出や保管等の費用なので、部屋が多く荷物が多ければ多いほど費用がかかります。
裁判まで行わずに退去した場合、あるいは、裁判所での話合いに基づいて退去した場合には、
上記の満額がかかるわけではありません。
ただ、強制執行(強制的に荷物を搬出して立ち退かせる)まで手続が進むと、
上記のような費用がかかるということは知っておきましょう。

■では、費用がかかるから明渡の裁判は行わない方がよいのか?
そうとはいえないと思います。
5万円の賃料を1年間分滞納すれば、本来受け取れるはずだった60万円を失っており、
これが続けばあっという間に明渡にかかる費用以上の損失を被ることになるからです。
費用をかけても早めに退去していただき、賃料を支払ってくれる借主に借りていただくことも考え、
何が一番いい方法かを管理会社と一緒に考えることが重要です。

※事案により費用や手続は異なりますので、具体的な費用感については弁護士にご相談ください。

~船井総合研究所紹介~
船井総合研究所は日本で初めて上場した経営コンサルティング会社であり、
独自の経営理論(フナイ理論)に基づくコンサルティングを行っている。
同社賃貸管理ビジネスコンサルティングチームでは、全国約150社の不動産会社が集まる研究会を行い、
全国の不動産会社、不動産市場の課題解決に向けた取組みを日々行っている。

㈱船井総合研究所 ライン統括本部 上席コンサルタント 松井 哲也