アライブ

aliveblog アライブ通信

アライブコーポレートサイト > アライブ通信 > Vol.39 原状回復義務ガイドラインについての知っておきたいこと

Vol.39 原状回復義務ガイドラインについての知っておきたいこと2021/05/06 業界ニュース

今回は賃貸物件のオーナーであれば、必ず知っておきたい原状回復義務についてです。

【事例】
ペット不可の物件を貸し出したところ、退去時に、規約に反してペットを飼っており、柱への傷が見つかり、
また入居者によるクロスへの落書きなどもありました。
まず、基本的なルールを確認しましょう。基本的には、通常損耗、経年劣化によるものについては、
家主の負担であり、入居者の故意過失によるものについては、入居者の負担です。
この点は、2020年4月施行の改正民法で法律にも明記さました。

賃借人の原状回復義務)民法第六百二十一条
 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。
以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。
ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

これだけではまだ具体的によくわからないので、原状回復については、皆さんご存じのとおり、
国土交通省からより具体的な「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が示されています。
実務的にはこちらのガイドラインが定着しているといってよいでしょう。
大まかにいうと、原状回復ガイドラインでは、原状回復に伴う補修内容を

A:賃借人が通常の住まい方、使い方をしていて 発生すると考えられるもの
  (通常損耗による部分
A+G):通常損耗による部分+グレードアップ部分
B:賃借人の住まいの方、使い方次第で発生するもの 、通常損耗とは言えないもの
A+B):賃借人が通常の住まい方、使い方をしていても発生すると考えられるもの

以上の4つに分けて、「A」「A(+G)」については、家主負担とし、
「B」「A(+B)」については、「賃借人(入居者)の負担割合を検討」する。という内容です。
事例のような入居者による落書きなどは、入居者の住まい方によるものであり、
通常損耗ではなく、入居者の故意過失によるものと判断されると思います。
そのことから、落書きやペットを飼ったことによる傷などの原状回復費用は入居者の負担となります。
しかし、ここからが問題となります。具体的にどの程度の費用を入居者が負うのか、
ガイドラインでいう「賃借人(入居者)の負担割合を検討」という意味が問題となります。
国土交通省のガイドラインでは、契約書に特約を設けることまでは禁止していません。
契約書に原状回復に関する特約がある場合には、借主に不利な内容になっていないかを確認した上で、
具体的に借主が負担する範囲、おおよその金額などについて、把握しておくことがよいでしょう。